[GKB]/AIai.gkb-studio.com
00前提

AI導入 · 京都

AIに遅れているのではない。
遅れているのは、本番に出すところだ。

GKB/AIは、京都でクリストファー・フーバーが一人で営むソフトウェア工房 GKB Studio のAI部門である。仕事は地味で具体的だ。モデルが本当に採算を変える業務を見つけ、きちんと作り、本番に載せ、社内のエンジニアが読めるものを渡す。以下は主張ではなく作業記録である。数え上げた数字と、いくつかの記録と、図が一枚。

このページはCTOに転送されても耐えるように書いてある

01計数

数えた観察

6

本番投入したAIシステム

48

自分の機械で毎日動かしているエージェント

8週間

設計から、iOS/Android両対応モバイルアプリの出荷まで

2021

同じ本番基盤に関わりはじめた年

正直なのは48のほう。毎日使ってはじめて何が壊れるか分かる

02素描

仕事は実際どう進むか

  1. 問題をひとつ金額が動くもの
  2. 最小の実装成否をはっきりさせる
  3. 本番投入計測、値付け、所有
  4. あなた持ち続ける
第1週第2〜6週だいたい第8週

スライド資料で終わる要件定義フェーズはない

やらないこと

サイトに貼り付けただけのチャットボットではない。砂場に置かれたまま終わらない実証実験でもない。戦略資料でもない。出てくるのは、一回あたりの費用を表計算に書き込める、動くソフトウェアだ。そこに、選択のひとつひとつの理由が文書として付く。

03部品

AIシステムは実際に何でできているか

  1. 01あなたのデータへの経路誰もが甘く見る部分現場固有
  2. 02検索と文脈の組み立てモデルに何を見せるかを決める自前構築
  3. 03プロンプトと道具の取り決め何ができ、何を断らせるか自前構築
  4. 04モデル交換可能で、しかも安くなり続ける外部購入
  5. 05評価テスト一式壊す変更が大きな音を立てて落ちるように自前構築
  6. 06費用と流量の上限請求書で驚かないために自前構築
  7. 07リトライと退避経路提供元が落ちた日のために自前構築
  8. 08人が確認する輪誰が、何を根拠に承認するか共同構築
  9. 09監査記録何を尋ね、何が返り、誰が見たか自前構築

この一覧で買ってくるものは一行だけだ。残りの八つが仕事であり、会議室の全員を感心させた実証実験が本番に届かなかった理由でもある。あれは04行目だけで動いていて、残りは黙って、同席していた人間から借りていた。

モデルの差し替えなんて朝飯前。残り八つが仕事の本体

04記録

仕事の記録

  1. 01項目
    MCPサーバー

    自分のゲノムに、普通のことばで訊ける

    本人のゲノムと検査データに、ClaudeやChatGPTから直接問い合わせられるMCPサーバー。検索し、掘り下げ、それを踏まえて摂取計画を組み立てる。文脈は会話をまたいで引き継がれるので、毎回ゼロから説明し直さずに前回の続きから入れる。

  2. 02項目
    AIパイプライン

    何時間分もの文献読解を、下書きまで

    稀少な遺伝子変異を解釈する多段パイプライン。各段が前の段を絞り込み、検算する。研究者が何時間もかけて文献を読んでいた作業が、いまは人が軽く目を通すだけで済む水準の下書きになって出てくる。

    署名するのは今も人間。そこが肝だった

  3. 03項目
    エージェント基盤

    計測して請求できる、規制下のチャット

    AWS Bedrock上に建てたHIPAA準拠のチャット基盤。長い会話でも筋が通り続けるように作り、プロンプトをキャッシュして利用が増えても費用が跳ねないようにした。ファイル添付、PDF生成、トークンの実時間計測まで最初から入っているので、利用量は当て推量ではなく値付けの対象になる。

05条件

最初の四分で必ず訊かれること

最後に手元に残るもの

コード、評価テスト一式、実測した一回あたりの費用、そしてこのシステムがどこで弱いかを書き残したもの。顧問契約はない。あなたのデータに私の権利が乗ることもない。私が抜けた翌週から、社内のエンジニアが自由に手を入れられる。

私が動けなくなったら

一人でやっている以上これは本物のリスクで、そうでないふりをするのが最初の悪い兆候になる。約束ではなく成果物で対処する。運用手順書、何かが壊れたことをチームに知らせる評価テスト一式、設計の記録、そして私がすでに把握している壊れ方の一覧。

上の数字の読み方

これは件数であって、成果ではない。精度の割合も、成長曲線も、年間削減額もこのページには載せない。ここではそれらを計測していないし、そういう数字を描くのはネットでいちばん簡単な嘘だからだ。実在する数字なら、通話で但し書きごと出す。

六件の出どころ

クライアントは一社、NDAのもとにある。消費者向けのゲノム・検査プラットフォームで、2021年から、はじめは社員として、いまは継続契約の顧客として、その内側で仕事をしてきた。AIシステムは2024年以降のもので、六件とも今も本番で動いている。浅い案件が六件のほうが見栄えはいいが、中身は薄い。同じコードベースに四年いてはじめて、AIシステムが二年目に何をするのかが分かる。

06行動

次の一手

モデルに任せられそうだと睨んでいる業務を、ひとつ持ってきてほしい。

作る価値があるのか、待つべきなのか、そもそもAIの問題ではないのか。たいてい一度の会話でそこまでは言える。答えが三つ目なら、そう言う。

作りたいものがもう決まっているなら、ここは全部飛ばしてメールをくれればいい。

返すのはフォームではなくクリストファー本人